楽山日記(LD)

ヤフーブログから引っ越してきました。特にテーマは決めずに書いてますが、スピ系の文章が多めです。若気の至りでハマってしまった宗教についても書いてます。よろしくお願いします。

『かがみの孤城』辻村深月著

『かがみの孤城』辻村深月著、ポプラ社

 ツイッターで本作が話題になっていたので興味を持ち、読んでみた。あらすじは、不登校の中一女子が鏡の向こうの世界に行き、同世代の男女と交流しつつ、成長するという話である。物語が大きく動き出すのは後半に入ってからなので、前半はややじれったいところはあったが、物語世界の全体像が明らかになってからは大きな感動があった。涙涙。最後は悲しいけれども、綺麗な終わり方であり、読後感はよかった。
 それにしても本作に限らず、小説の主人公はどうしてこんなにも繊細なのだろう。主人公がものを考える人でなければ物語がまわらないのは分かるが、中一でこれほどの思考力はすごい。それに比べると、自分が中一だったころは本当に何も考えていなかったと思う。もっともこれは当時はあれこれ考えていたのを忘れてしまっただけなのかもしれないけれど…。
 もしそうであるならば、それだけ自分は大人になったということなのだろうな、大人とは子供時代の記憶を失った人のことだとすれば。


『「孝経」人生をひらく心得』伊與田覺著

『「孝経」人生をひらく心得』伊與田覺著

*まえおき
 古典名著はできるだけ目を通しておきたいと思いつつ、「孝経」はその書名はよく聞くにもかかわらず、一度も通読していなかったので、本文紹介とともにわかり易く解説してある本書を読んでみた。
 恥ずかしい話であるが、「身体髪膚、之を父母に受く、敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」という言葉は前々から知ってはいたが、これが孝経の言葉だとは本書を読んではじめて知った。古典を読むと、有名な名言名句を再発見できるところは楽しい。


*心に残った言葉
 ちなみに、本書中で特に心に残ったのは、この言葉だった。
 「故に其の親を愛せずして他人を愛する者、之を悖徳と謂う」。
 自分の親を愛さないで他人を愛する者を悖徳という。
 「其の」というのは「自分の」。「悖」は「悖る」で、正しいあり方に反する。徳に悖る者を「悖徳漢」といったりします。自分の親を疎かにして他人を愛するような人は悖徳漢ですね。

(『「孝経」人生をひらく心得』伊與田覺著、致知出版社、平成21年、pp.135-136)
 毒親問題が広く認知されるようになっている現代では、どんなに人に親切にしたとしても、親孝行ができていなければ悖徳漢だとはなかなかに厳しく、暴論とも思えるのではあるが、一般論としては親不孝な状態ではいくら他人に親切にしても、おそらくは心の中から罪悪感は消せなかろうし、それならこの考え方はそう見当違いというわけでもなく、完全に否定されるものではないのだろうと思う。


『聯合艦隊司令長官 山本五十六』半藤一利著

『聯合艦隊司令長官 山本五十六』半藤一利著

*まえおき
 山本五十六のことは、米国との戦争に強く反対していたこと、「半年や一年は~」という言葉など、断片的なエピソードは聞いたことはあっても、それ以外は殆ど知らないので本書を読んでみた。


*概要と感想
 本書では主に、二・二六事件の頃から、戦争中に長官機が遭難するまでの山本五十六の言行が語られている。山本五十六は世界情勢を見極めた上で対米英戦争の勃発を防ごうとするが、それを理解しない国内の者たちの策動を抑えられなかったこと、開戦の際は国際法規を遵守して攻撃前の事前通告を望むが、それも実現できなかったこと、日米の国力の差から短期決戦を望むが、これもさまざまな理由からだめだったことなど…要は、全体的な流れとしては、当時の日本において、山本五十六など一部には立派な見識をもっている人物はいたが、それ以外の者たちはその意見に耳を傾けず、まちがった選択を繰り返し、その結果、国中を焼け野原にした上、多数の犠牲者を出すことになったというものである。
 自分としては、欧米列強の悪辣さには殆ど触れず、日本の指導者たちの愚かさのために戦争になったかのような書き方には不満だが、本書のテーマは戦争全体ではなく、山本五十六の美点を描くことであるとすれば、それ以外の部分が省かれるのは致し方ないことなのだろう。


*意外な一面
 ところで本書によると、山本五十六は甘党であり、賭け事がすきだったそうだ。みかんを一度に47個食べたり、盲腸炎になったときは切腹の痛みを体験したいので麻酔なしの手術を依頼したこともあったという。
 こういう話からすると、どうやら山本五十六は、冗談の通じない堅物ではなく、愉快なところもある人だったようだ。


ギャラリー
  • 『かがみの孤城』辻村深月著
  • 『「孝経」人生をひらく心得』伊與田覺著
  • 『聯合艦隊司令長官 山本五十六』半藤一利著
  • 『安岡正篤「こころ」に書き写す言葉』安岡正篤著
  • 『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン著、坂本貢一訳
  • 『偽書が揺るがせた日本史』原田実著
  • 『清張さんと司馬さん』半藤一利著
  • 『「人間」らしさの構造』渡部昇一著
  • 『私の死亡記事』文藝春秋[編]
  • 『超訳 種の起源』ダーウィン著、夏目大訳
  • 『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』更科功著
  • 『釈尊のさとり』増谷文雄著
  • 『神秘形而上学入門』平一著
  • 『心經入門 彼岸からのメッセージ』平一著
  • 『精霊の息吹を受けて 溝部司教説教集』溝部脩著
  • 『幸福なる人生 ウォレス伝』渡部昇一著
  • 『国民の修身』渡部昇一監修
  • 『超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか』リチャード・ワイズマン著、木村博江訳
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