楽山日記(LD)

ヤフーブログから引っ越してきました。特にテーマは決めずに書いてますが、スピ系の文章が多めです。若気の至りでハマってしまった宗教についても書いてます。よろしくお願いします。

『清張さんと司馬さん』半藤一利著

『清張さんと司馬さん』半藤一利著

*二人の大作家
 本書は、編集者として二人の大作家を担当していた著者が、その当時の思い出を綴っているものであるが、その語り口は非常に巧みなので、まるで二人の大作家の日常を眼前に見るようである。
 自分は司馬遼太郎の作品は愛読していても、松本清張の作品はほとんど読んでいなかったのだが、俄然、松本清張にも興味が出てきたし、その作品も読みたくなってきた。


*知らなかったこと
 司馬遼太郎の人となりについては、それなりにいろいろな読んでいたつもりだったが、本書ではじめて知ったことがあったので、忘れないうちにここにメモしておきたい。
 まず一つは「戦争中、最前線の硫黄島への転属を熱望した」(p.13)という話であり、もう一つは戦後、就職した会社で「事務所の女の子に死ぬほどの片恋をして、辞めてしまった」(p.13)という話である。
 司馬遼太郎がこれほど感情量が多く、激しい人だったとは意外である一方、妙に納得できるところもある。独自の美意識からスマートに振る舞っていても、心の内では熱い情熱が燃え盛っていたからこそあれだけの作品を書き続けられたのだろうなと。


*神格化
 余談ながら、本書には漱石についても面白い逸話を記してある。なんでも漱石は東郷元帥を讃美する門下生に、「東郷さんはそんなに偉いかね。僕だってあの位置におかれたら、あれだけの仕事は立派にやってのけられるね。人間を神様扱いするのはいちばんいけないことだと思う」(p.89)と言ったとのことである。
 これについては引用元が記されていないので、そのまま信じるのには躊躇するが、漱石の芥川宛の書簡からは、人から持ち上げられるのは嫌いな性格であることはうかがえるし、それなら人を持ち上げるのも同じように嫌いだったとしてもおかしくはないなとは思う。


『「人間」らしさの構造』渡部昇一著

20220119_6 渡部昇一/「人間」らしさの構造

*元気が出る本
 本書では、生きがいとは自己実現であり、そのためにはまず内なる声に耳を傾けることが肝要だとしつつ、これを実践して生きがいを見つけ、自己実現を成し遂げ、幸福になった例を数多く紹介している。
 現実はそう甘くはなく、誰もが本書の事例のように成功できるとは限らないだろうが、それはそれとして本書を読めば自分も内なる声に耳を傾け、頑張ろうという気分になることができるのはよい。これは人の心を元気にする良書だと思う。


*記憶違い?
 ところで、久方ぶりに本書を再読してみて、なにやら自分はしょうもない記憶違いをしていたような気がしてきた。
 これまでは、「内なる声を聞け」という教訓はスピリチュアリズムの本で知ったとばかり思っていたのだが、もしかしたらそれは記憶違いで、実際は本書で知ったのかもしれない気がしてきたのだ。本書で「内なる声」について何度も何度も繰り返し言及しているのを読んでいたら、そう思わないではいられなくなってきたのだ。
 「内なる声」の大切さについては、スピリチュアリズムの本でも、本書でも、どちらでも説かれているから、はじめにどちらで読んだかはどうでもいいことではあるが、今回再読するまで本書のことはすっかり忘れてしまっていたのにはいささか動揺せずにはいられない。やはり再読は大事だと改めて思った次第である。


『私の死亡記事』文藝春秋[編]

20220519_2 私の死亡記事/文藝春秋編

 本書は著名人が自分自身の死亡記事を書くという企画によるもので、100人あまりが参加している。このような企画を思いついた編集者はすごい。
 ではその中身はどうかといえば、ざっと見たところでは、ほとんどの記事が自己の業績を事細かに並べ、意識が高く、幸福感に満ちており、いかにも著名人らしい文章となっている。そんな中で中野翠だけはたった二行の文章と墓の絵だけで済ませているのは微笑ましい。この方のユーモアと美意識はすきだ。
 死因については、老衰や病死としているものが多いが、安楽死としている人も少しいる。奥付を確認すると本書の出版は2000年10月となっているが、この頃はすでに延命治療を厭う空気はあったということだろう。ちなみに西部邁の「私の死亡記事」は老いと自死について記されており、さまざまに考えさせるものがある。
 最後に本書中でもっともおかしかった文章は、自分にとっては横尾忠則のものだった。それは死んで霊となった横尾忠則本人が霊言をするという体裁になっているのだが、「波動」「送信」「受信」というスピリチュアリズムの設定に則っているところはなかなかに芸が細かい。さすがだ。


ギャラリー
  • 『清張さんと司馬さん』半藤一利著
  • 『「人間」らしさの構造』渡部昇一著
  • 『私の死亡記事』文藝春秋[編]
  • 『超訳 種の起源』ダーウィン著、夏目大訳
  • 『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』更科功著
  • 『釈尊のさとり』増谷文雄著
  • 『神秘形而上学入門』平一著
  • 『心經入門 彼岸からのメッセージ』平一著
  • 『精霊の息吹を受けて 溝部司教説教集』溝部脩著
  • 『幸福なる人生 ウォレス伝』渡部昇一著
  • 『国民の修身』渡部昇一監修
  • 『超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか』リチャード・ワイズマン著、木村博江訳
  • 『聖書を読んだら哲学がわかった』MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)著
  • 他人の妄想に巻き込まれた人たち
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  • st氏から、つきまとわれる理由
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