私は、ベストセラーについて否定的なわけではない。むしろその価値を認めているのである。ベストセラーに関して、私は、それが特殊なものではない限り読むことにしている。
特殊なものというのは、特定の宗教団体の教祖が書いたものや、タレントのスキャンダルを暴露したものなどがその典型である。それはいくら売れていると言っても、中身が見えすいていると思うからである。そうしたもの以外の話題の本には、必ず切り口のどこかに冴えがあるものである。
(渡部昇一『ものを考える人』渡部昇一著、三笠書房、2007年、p.68)

これはよく分かる気がする。ベストセラーの教祖本は、信者らが大量に買い込んでベストセラーにしてるだろうことは見え見えだし、古書店に行けばそんな教祖本は、タレント本と同じ扱いを受けて投げ売り状態になっていたりする。
 
そういえば、以前、ラジオを聞いていたら、某書店での売り上げランキングを発表していた。一般の本については順位、書名、著者名、内容などを詳細に説明していたが、教祖本に関しては、順位、書名、著者名だけで内容には触れず、微妙な空気とともにさらりと流していた。
 
信者さんの中には、教祖本がベストセラーになっていると胸を張る人がいるけれども、もっと冷静になって現実を見ればいいのにとお節介ながら思う。