そこで尊師は、若き人アーナンダに告げた、「やめなさい、アーナンダよ。遍歴行者スバッダを拒絶するな。スバッダが修行をつづけて来た者に会えるようにしてやれ。スバッダがわたしにたずねようと欲することは、何でもすべて、知ろうと欲してたずねるのであって、わたしを悩まそうと欲してたずねるのではないであろう。かれがわたしにたずねたことは、わたしは何でも説明するであろう。かれはそれを速やかに理解するであろう」と。
(『ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経―』中村元訳、岩波書店〈岩波文庫〉、2007年、p.148)

これを読むと、釈尊は、体は老い、病み、死がせまっているときにでも、求道者が道を求めてくれば、面会し、なんでも質問させ、丁寧にこたえていたのかもしれません。
 
自分は、体調が悪い時には、人とは会いたくないし、ましてや、ややこしい問答などしたくない、ぐうたら人間なので、釈尊のこういう生き様には心から驚かされます。