松永材『皇国体の真髄』

*外国かぶれ
 表題から政治的な本だろうと見当をつけたのだが、実際に頁を開いてみたら政治的というよりは宗教的とも言えるような主張がされており、仏教や儒教の影響を受けた過去の学者らを国体を毀損し、人々を惑わしたとして糾弾していて驚いた。
 その批判内容については、やや極論で独善的にすぎるように感じないでもないが、どうやら昔から、学者の中には日本を見下しつつ、外国を地上天国のように美化して語る“外国かぶれ”がいたというのは確からしい。


 *結びの国体
 ちなみに国体について、本書では次のように語られている。
DSCN9961 松永材『皇国体の真髄』
DSCN9962 松永材『皇国体の真髄』
DSCN9963 松永材『皇国体の真髄』
 こうしてみると、自分にはこのような世界観を理解する素養がないことを自覚しないわけにはいかない。生まれたのが戦後だというのもあるのだろうけれども、もともと思想的宗教的なものとの相性がよくないというのもあるかもしれない。自分のような人間は、この当時に生まれていれば相当に大変だったろうなと思わないではいられない。