*概略
本書の全体的な論調は、日本人はみなで戦前戦中の間違いを反省し、迷惑をかけた国々には謝罪しよう、米による日本占領には反抗することなく従い、地に堕ちた道義を回復するように努めようというものになっている。
また著者の前半生については、フランス留学によって、我が国は神国であり、特別だという日本教育の影響から脱して、日本の長所も短所も客観的に把握できるようになったこと、戦前戦中は戦争を回避するためにさまざまな努力をしたが、残念ながらその成果は得られなかったこと、戦後は陛下に従い、終戦時の反乱を抑止し、民主主義的な政治の実現に努めたことなどが綴られている。
当時、本書はかなりの話題になったそうだが、そのことと上のような内容からは、戦争に負けて占領されるということの悲哀がよく分かるように思う。当たり前の話だが、やはり戦争はすべきでないし、もしするなら絶対に負けてはいけないということなのだろう。
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