九三二 諸々の出家修行者やいろいろ言い立てる世俗人に辱められ、その(不快な)ことばを多く聞いても、あらあらしいことばを以て答えてはならない。立派な人々は敵対的な返答をしないからである。
(『ブッダのことば』中村元訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1985年、p.202)
 
七一一 聖者は、村に行ったならば、家々を荒々しくガサツに廻ってはならない。話をするな。わざわざ策して食を求めることばを発してはならない。
(同上、p.154)
 
七二二 〈道の人〉が理法にかない意義あることを多く語るのは、みずから知って教えを説くのである。みずから知って多くのことを語るのである。
七二三 しかしみずから知って己れを制し、みずから知っているのに多くのことを語らないならば、かれは聖者として聖者の行にかなう。かれは聖者として聖者の行を体得した。」
(同上、p.155)
 
変な読み方かもしれませんが、こういう注意があるということは、当時は、批判されて激昂する修行者、食のためにズルをする修行者、知ったかぶりでしゃべりすぎる修行者……などが問題を起こしていたのかなと、いけない想像をしていまします。このあたりは、昔も、今も、あまり変わらないのかもしれません。