二三五 古い(業)はすでに尽き、新しい(業)はもはや生じない。その心は未来の生存に執着することなく、種子をほろぼし、それが生長することを欲しないそれらの賢者は、灯火のように滅びる。このすぐれた宝が〈つどい〉のうちに存する。この真理によって仕合わせであれ。
(『ブッダのことば』中村元訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1985年、p.53)

私はいまだに、「天国に行きたい」「来世はもっとよい環境に生まれたい」などと願っています。また自分が消えてなくなることを恐れてもいます。それだから、未来の生存に執着せず、滅びることをも受け入れることのできる人は、強い人にちがいないと想像します。