*いろいろな神のイメージ
よく指摘されることではあるけれど、神のイメージはいろいろあるようだ。たとえば、こんな風に…。

1. まずは神は人格を持ち、全知全能であるとするものがある。この場合、この世の悪は、神がその存在を許しているということになる。たとえばヨブ記では、神は、サタンがヨブに災厄をもたらすことを許している。

2. 神は人格を持つが、全知全能ではないというものもある。この神は、全知全能の神と比べると、ぐっと人間に近くなる。

3. さらには、神はこの大自然だというものもある。この場合、天災地変も神ということになり、神様は必ずしも人の命や暮らしを最優先に考えているわけではないことになる。

4. 神様とは世界を統べる法則であるという見方もある。科学者などが神の存在を認める発言をした場合、この意味の神様を念頭においていることが多いという。

次は無神論についてだけども、これは大雑把に言えば、神は存在しないというものである。
でも場合によっては、上の2. 3. 4. も無神論とされることがあるらしい。
この点については議論の余地はありそうではあるが、全知全能の唯一神を信じないのは無神論だとみなすことも可能ではあるようだ。

こうしてみると、視点を変えることによって、有神論が無神論になったり、無神論が有神論になることもあるらしい。
これはつまり、本人は有神論の立場から無神論を批判しているつもりでも、実際には無神論の立場から有神論を批判していることもなきにしもあらずということである。
こういう捻じれ現象はなかなかに滑稽であるし、面白いなあと思う。〈了〉



*参考