子供時代には、どんな本が好きだったかなあと思い出してみるに、一番繰り返してみたのは、タミヤ総合カタログだったように思う。頁が取れたり、ぼろぼろになるまで繰り返し見たのだった。



これは、2017版のカタログではあるが、当時もこんな感じの表紙だった。でも前は、「総合カタログ」と言ってたと思うが、今は「スケールモデル版」と呼ぶのか…。
自分はミリタリーミニチュアシリーズの頁をよく見てたが、戦車などの説明は本当に何度も読んだ。あとは同じ系統の本で、ラジコンのものとか、戦場写真集などもよく見た。

高校生になると、一番繰り返して読んだのは文庫目録だったろうか。岩波、創元推理、新潮あたりの文庫目録をよく読んだ。さまざまな本の紹介文を見ながら、次はこれを読もう、その次はこれ、こっちもいいなぁなどと空想するわけであるが、これがたまらなく面白かった。どうも当時の自分は、評論家による立派な書評よりも、こういう数行の紹介文の方に興味を掻き立てられていたようだ。

とはいえ、そういう自分も近頃は、カタログだとか、目録だとかを繰り返し見ることはなくなった。周囲にもそういうものを喜んで見ている人は見当たらない。これは年齢的なものもあるのだろうか。

なぜそんな風になったのか、もうちょっと考えてみないと分からないが、それはそれとして、カタログ的なものに夢中になることができた時期を持てたのは良かったと思う。

当時の気分を、もう一度味わえないのは残念ではあるが、それでもあの時の楽しさは今でもよく覚えているし、いい思い出である。カタログや目録の作成に携わった方々には感謝したい。製品、書物について、わずかな字数で紹介、解説するには相当の苦労があったろうし、本当にありがたいことである。