カルト宗教の教えは
大きく二つに分かれるという

一般の道徳のような部分と
その宗教特有の部分である

もうちょっと詳しく書くと、こんな感じ

  〈一般の道徳のような部分〉
・思いやりの心は大切です
・謙虚、勤勉はよいことです
・間違ったことをしたら、素直に反省しましょう
・より多くの人々に幸福になってもらうために頑張りましょう

  〈その宗教特有の部分〉
・この宗教のすばらしさを伝えることこそ、最上の思いやりです
・最高の知恵を得るためには、この宗教の教えを学ぶことです
・教祖を疑う心が生じたら、反省しましょう。教祖は仏陀であり、至高神です
・この宗教を学び、布教することで、霊的に向上し、より高い段階に進めます
・教祖を疑う者は、霊的に未熟か、悪霊の影響を受けています

恥ずかしながら、自分のカルト体験からすると
マインドコントロールは
一般の道徳のような部分から、その宗教特有の部分に進んだように思う

一般の道徳のような部分を聞いて
「この人たちは、正しいことを言っている」と判断し
信者たちと付き合っているうちに
その宗教特有の部分についても
自然に馴染んでいったという流れである

そういう部分については
はじめは、「そんなバカバカしいことは信じない」と思っていたものの
信者たちと親しく接するうちに抵抗感は薄れ
だんだんと、それが当然のことのようになっていったのだから不思議である
朱に交われば赤くなるということだったのだろう

以上のことからすると
カルトというものは
新たな信者を獲得するために
まずは、一般の道徳的な教えを提示して
自分たちは、カルトではなく、健全な団体だと主張する

そうして
相手の警戒心を緩めてから
少しずつ、少しずつ
その宗教特有の教えを与えて
カルト色に染めて行こうとするものらしい

多分だけども
こういうことは
カルトの幹部は、すべて承知している
でも末端信者は、無自覚に、これを実践してるように思える
知らず知らずのうちに、カルト被害者から、加害者になっているわけである

こういうところは
本当に恐ろしいなあと思う。