逃げるというと
臆病、弱虫、敗者など
よくないイメージがある

でも
実際には
逃げるのが正しい場合も
少なくないようでもある

たとえば
自分が小さかった頃は
年上の乱暴者に対しては
逃げるが勝ちという戦法をとっていたのだった

たぶん
年下の子に暴君のように振る舞ういじめっ子からは
さっさと逃げて、近づかないのは正解だったろう

また長じてからも
できないことを、できるようになるまで頑張るよりも
さっさと心を切り替えて
別のことにチャレンジした方が、よい結果を得られたように思う

そういう場合は、
できないことにこだわり、頑張り続けるよりも
他のできることを伸ばしているうちに
いつのまにか、できなかったことも、できるようになっていたことが多かった

人間関係にしても
どうしたって、ウマが合わない人はいるわけで
そういう人とは、相応の距離をとるのが無難である

プライドが高い人ほど、逃げることには抵抗があるかもしれないが
本当に強い人は、逃げるべき時には逃げることができるものだ
たとえば、桂小五郎が「逃げの小五郎」と言われたように

逃げる、退却、方針転換というのは
その局面だけに限って言えば、負けのように見えることもあるが
実際には必ずしもそういうわけではなく
むしろ最終的に勝利を得るためには、ぜひとも必要な戦法でもあるのだ
逃げるという一手は、むやみに忌避することなく、有効に活用したいものである。