もう大分前のことだけども、自分がカルトを止めて二、三年が過ぎた頃だった。
友人と雑談していたときに、その友人はふっと黙り込んだあとで、真顔でこう言ったのだった。
「お前、俺に向かって『地獄に堕ちる』と言ったの覚えてるか? あの時は本気で殴ってやろうかと思ったぞ」
自分はそんなことはすっかり忘れていたのだったが、言われてみれば確かにそんなことを言ったのだった。
教団では、
「間違っている人がいたら、『間違ってますよ』と教えてあげるのが親切です。
これと同じように、地獄に堕ちそうな人がいたら、『そのままでは地獄に堕ちますよ』と忠告してあげるのが親切です。
それが真理を知っている者の努めです」という風に説いていた。
だから自分は親切心から、友人に対して、「地獄に堕ちる」と忠告したのだった。
これは、今になってみれば、随分おかしな考えだが、当時は自分なりに真剣なのだった。
いやはや、こういう過去を振り返ってみると、つくづくマインドコントロールは怖いと思う。
以上、他所で行われているカルトについての議論を読んでいて、こんなことを思い出した次第である。 〈了〉
そうですねー地獄になぜ堕ちなきゃいけないかも
合わせて説明があれば、また違って捉えて
もらえたかもしれませんね。
tam
がしました