ツイッターをみていたら、興味深い記事を見つけた。

・「スピリチュアル女子」をあざ笑うすべての人に言いたいこと(小池 みき)|現代ビジネス
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58774

自分はこの記事でふれているHappy氏については知らないのだけれども、スピリチュアルなことを信じている人をバカにしたり、嘲笑ったりするのはよくないというのはその通りだと思う。
 
スピリチュアルでも、宗教でも、その主張の中には傍から見れば荒唐無稽でバカバカしいことがあったりもする。でも、だからといってそれを信じている人をバカにしたり、嘲笑していいことにはならない。
 
ただいかなる場合も例外なく、そういう人をバカにしたり、嘲笑したりするのはよくないかといえば、それもちょっと違うかな…とは思う。というのも、それがマインドコントロール解除のきっかけにならないとも限らないからだ。
 
自分の例を出すのは恐縮だけども、自分は某新興宗教の信者だった頃に、教祖に疑問を持ちながらも、なかなか退会できなかった時期があった。
 
教義上、教祖の悪口を言ったり、信仰を手放すことは大罪であり、地獄に堕ちるとされていたので、情けないことに恐怖心から教祖に対する疑問を口に出したり、退会したりすることができなかったのである。
 
でもネット上で、教祖のことを激しく批判したり、バカにしている書き込みを見て、「教祖のことを批判したり、バカにしても、大丈夫なんだな。教祖の悪口を言った瞬間に、雷に打たれるとか、そんなことはなさそうだ」と気付かされたのだった。
 
こういう心理は、傍から見たらバカげて見えるかもしれないが、自分はこれによって、教祖に逆らうことが怖くなくなり、退会できたのだった。
 
そういうわけで自分は、嘲笑はよくないとは思いつつも、個々の信者ではなく、その教祖や指導者に対する痛罵、嘲笑などは、必ずしも全否定はできないのではないかと思うのである。いやもしかしたら、個々の信者に対してさえも、痛罵、嘲笑が良い結果をもたらすことがないとも限らないかもしれない。
 
原則としては、スピリチュアルでも、宗教でも、その他の何にしても、他者をバカにしたり、嘲笑ったりするのはよくないことではある。ただ物事には何でも例外があるし、この件に関してもそれは変わらないだろう。
 
特定の価値観を強く信じ込んでしまうと、原則論だけで押し切ろうとしてしまうこともあるけれども、何事にも例外はあり得るし、それは「嘲笑はよくない」ということについても言えるのではないかと思う。〈了〉



*追記 20181208
上記の記事について、カルト新聞で記事が出ていた。

・【論評】スピリチュアル批判が分断を招くって?|やや日刊カルト新聞
https://dailycult.blogspot.com/2018/12/blog-post.html
 
批判的な記事だけども、一理あるし、相手への気遣いもあって、いい記事だと思う。
 
 

*追記 20181210
カルト新聞の藤倉さんが、この件についてツイート連投してる。
小池みき氏の記事の問題は、スピリチュアル云々と別に、批判的言論のあり方・扱い方の問題でもある。ちょっと前のFactCheck福島の記事訂正問題にも共通するんだけど、分断云々みたいな理屈で「批判対象に気を遣え」とする要求。これがのさばると、批判的言論が滅びる。午後0:03 ・ 2018年12月10日