中野翠のエッセーはかなり好きな方だけど、
それについて、
中野翠は自分の感性、感覚で判断して書いてる云々、
という評論を読んだことがある。

例によって、
なにで読んだかは忘れてしまったのだが、
そういう説を読んで、確かにその通りだなあ
と思ったことは覚えてる。

これと似た話としては、
志賀直哉は、自分にとって快か、不快かで判断している
というのは結構、有名な話であるように思う。

あとは、
佐藤優の対談本を読んでいた時に、
氏は、神学的な問いに対して、
それは趣味の問題ですと答えていたのが印象的だった。

これには、
「ええ! それでいいんかい?」と驚いたけど、
でもよく考えてみれば、
最終的にはそういう答えにならざるをえないのかな
とも思える。

恥ずかしながら、
自分は、こういう冷静な対応はできずに、
自分の感性、感覚、趣味による判断を正しいとして、
それと異なる他人の判断は間違いだ
とすることが少なくなかったように思う。

自分の個人的な感性、感覚、趣味による判断を、
正邪善悪の判断と取り違えてしまい、
自分の判断は善であり、正しいと思い込み、
それを他人に押し付けるというパターン。

こういう勘違いは、
今思い出しても、冷や汗が出るし、
穴があったら入りたいくらい恥ずかしいことであるけれども、
今でも同じ勘違いをしてしまいがちなのだから情けない。とほほ。
ここは気をつけなければ…と思う。