*宏洋批判
 与国氏の宏洋批判を見てみた。思ってたよりも、話が短くまとめられていて、見やすく分かりやすい。

・宏洋さん、逃げちゃダメだ。


・宏洋さん、しっかりして下さい。【宏洋氏に物申すシリーズ21】


・宏洋氏、めんこでレリジャスハラスメントするな!【宏洋氏に物申すシリーズ20】



*正心法語
 与国氏の動画を見て、いろいろ思うことはあったが、一つにしぼるとすれば、『正心法語』についての話が一番興味をひかれた。
 『正心法語』に限らず、どのような宗教の経典であれ、それを床にたたきつけるという行為は、決して許されることではないという意見であればそれは正論だとは思う。
 でも、『正心法語(旧版)』に関して言えば、現HSも、宏洋氏も、それを否定し、捨てたという点でいえば同じようなものであろうし、それなら『正心法語(旧版)』を絶版にして捨てたHS側が、それを否定し、床にたたきつけた宏洋に意見するというのは、どこかもやもやしたものが残らないでもない。少なくとも、初期HSを正統とするレムリアなどからすれば、「『正心法語(旧版)』をあれほど否定しておきながら、何を言うか!?」とでも言いたくなるのではあるまいか。
 HSには矛盾点が少なからずあり、HSを支持することがHSを否定することになったり、HSを否定することがHSを支持することになったりということがあるが、根本経典である『正心法語』でさえも改訂されるというところが、こういう矛盾を生む遠因になっていそうではある。『正心法語』以外にも、基本書籍の『太陽の法』を例にすれば、旧版と新版では正反対の主張に改訂されている箇所(最終章など)もあり、一方を支持すれば他方を否定することになるのだからややこしい。


*マニア向きの説明
 上の話は、幸福の科学(HS)のことはあまりご存じない方には分かり難い話だろうと思うので、少々説明を加えておくと、HSでは90年代に改革があって、それまでの多神教的な信仰形態から、エルカンターレ(大川隆法)信仰に一本化された。
 それ以前は、『正心法語』には、イエス、モーゼ、エルランティ、イザナギノミコトらの言葉とされるものも収録されていたけれども、エルカンターレ信仰に一本化するとのことでそれらは削除され、新たな『正心法語』が作成された。
 そしてこの改革の背景には、ミカエル、エルランティ(高橋信次霊)らが、HS教団の乗っ取りを画策したという話(大川隆法談)があった。大川隆法は今までは彼らのことを大目に見てあげたが、今後は彼らの真の姿を開示するし、ミカエルは教団乗っ取りを企てた罰として謹慎処分にすると…。
 こういう話は、はたから見たら、荒唐無稽、トンデモでしかないのだけれども、HS界隈では今もたまに議論になる話ではあるし、この改革をどう見るかでさまざまな立場に分かれるので、HSの歴史では重要な転換点となっている。


*分派
 ちなみに上の改革(「方便の時代は終わった」)は、のちに分派を生むきっかけにもなっている。それは改革前の初期HSは正しかったけれども、改革後は堕落したと考える人達の存在であり、いわゆる初期肯定派である。代表格は、アマーリエさんを中心としたレムリア・ルネッサンスで、当該団体では書籍を出版しているし、初期HSの幹部だった関谷氏も一時期合流したりもした。またレムリア初期の霊言の文章は素人まるだしではあったが、その後の書籍の文章はよく書かれており、近年の大川隆法の著作の文章よりは、よほど整えられている。さらには宇宙人やアセンションなどの精神世界ネタについては、HSより敏感であり、先行していたともいえる。しばらく前にはHS色を払拭して五次元文庫から書籍を出版していたが、ミカエルとルシフェルとの関係や銀河大戦の話には興味をひかれる人もいるだろう。
 レムリアのことを書きつつ思い出したのだが、レムリアとは別系統で、近年の精神世界ネタを追うのでなく、シルバーバーチなどに回帰していった初期肯定派の人の意見で一つおもしろい話を読んだことがある。それはこういう話だ。「ORは、ミカエル、エルランティらを批判、否定したが、ミカエル、エルランティらは地獄対策の専門家であり、そんな彼らを恨み、敵視する存在はいかなる存在であろうか、悪魔を封じ込めるミカエルを謹慎させたいと思うのは、誰であろうか。ここを考えてみればミカエルらを敵視し、批判、否定するORの背後にどんな存在があるかは容易に分かるはずだ」
 私はHS会員から、ミカエルに謹慎を命じたという話を聞いたときは、なんじゃそりゃと思ったのだったが、この初期肯定派さんの話を読んだときはうまいこと考えるもんだなと妙に感心したものであった。人は自分が見たいものを見、信じたいものを信じるというけれども、これは初期肯定派にしろ、現役信者にしろ、みんな同じなのだろうし、もしこの落とし穴に落ちない存在があるとしたら、それはおそらくは神だけなのだろうな。