*大川隆法のイエス観
 大川隆法は以前から、イエス・キリストについて様々に語っているけれども、そのなかで自分にとって最も印象的な言葉は『フランクリースピーキング』にある言葉だった。

DSCN1300 イエスの悟りは掌に見えた

DSCN1347釈迦、イエスを超えた、イエスの悟りは掌に見えた

 本書を読んだ当時、自分は幸福の科学(HS)の会員で、大川隆法を崇拝していたのだが、それでも「これはいくらなんでも…」という感じがしたのだった。


*ツイッター上のHS信者
 先日は、信者のwhim氏はこんなことを書いていた。

2020-04-24-05_29_08神仏への信仰を忘れ

2020-04-25-20_00_40「敬虔なクリスチャンの神父様」とのことだが

2020-04-24-05_43_56スペインやバチカンの祈りがもはや神に届かない
https://twitter.com/qvz3331/status/1249219969285410816


 自分には、whim氏は次のような考えを持っているように思われた。

・祈りの背後には、波長同通の法則がある。天上界の心を持つ人の祈りは天上界に通じるが、天上界の心を持たない人の祈りは天上界に届かない。
・地位、肩書より、心こそが大切だ。
・病気の八割は心の持ち方が原因になっている。心を正しくすれば病気は治る。
・伝統宗教などの古い教えでは、現代の問題には対応できない。幸福の科学では現代の問題に対応できる新しい教えを説いている。
・イエスの活動期間は三年ほどしかなかったので、教えを説ききれなかった。キリスト教では転生輪廻の教えが欠けている。
・大川隆法は、至高神エル・カンターレであり、創造主、根本仏、エロヒムでもあり、天上界からイエスを指導し、イエスから我が父と呼ばれた存在である。

 whim氏の考えがこの通りだとすれば、それはHS的には標準的なものと言えると思う。
 ただしバチカンの祈りは天上界に届かない云々というのは、自分が会員だった頃は聞いたことがない話なので、HSの公式見解なのかどうかは自分には判断できない。でもHS批判者の草ジジィ氏はこんなことを書いていた。

2020-04-25 (1)幸福の科学の祈りは天上界届いてる」イタコ芸
https://twitter.com/kusaweod/status/1249691221909360640

 whim氏の爆弾発言は、これの受け売りなのかもしれぬ。
 あとは、他の信者氏のブログで、バチカンについての文章を見つけた。大川隆法は法話で色欲云々といったらしい。

2020-04-25 (0)バチカンにも色欲の悪魔が入り放題
http://sansanteruyo.seesaa.net/article/473789064.html


*リバティ
 自分としては、HSはキリスト教を高く評価しているというイメージがあったのだが、最近はそのイメージに反するHS側の発言を聞く機会が増えたこともあり、改めていろいろと調べてみたのだけれども、結論としてはどうも自分の考えは間違いだったようだ。
 HSでは、キリスト教関係の偉人たちを高級霊とするなどして個々人としては高く評価してはいるが、だからといってキリスト教全体を高く評価しているわけではないらしい。
 自分はこの辺りの解釈があいまいで、HSはキリスト教関係の偉人を評価していることから、キリスト教全体も評価していると勘違いしてしまっていた。また自分の考えをHSに投影して、HSはキリスト教に一目置き、敬意を持っていると思い込んでしまったところもあったかもしれない。とんだ迂闊者である。反省。


*ドナトゥス派
 蛇足ながら、whim氏はことのほか神父個人の心を重視しているようなので、ふとドナトゥス派とアウグスティヌスの論争を思い出した。

 これは前に読んだことがある記事だけども、今回あらためて読んでみても、波長同通の法則を当然のこととして信じていた自分としては、「神の恩寵は人の道徳面の状態からは影響を受けない」という発想には、まるで頭から鹿が飛び出てきたかのような驚きを感じさせられる。しかもこの議論は1500年ほども前のことだというのだからさらに驚く。大川隆法とその信者は、イエスとキリスト教を低く見て批判しているけれども、自分としてはやはりキリスト教の歴史、伝統、神学はとても深くて、学ぶべきことは多いと思う。


*もう一つ
 もう一つ蛇足ながら、ラッパーのitaq氏のツイートが、HS批判者たちの間で話題になっていた。

2020-04-26 (0)もうみんな営業開始しちゃえ

 批判者の反応はこちら。

2020-04-26-06_57_52どうせ人は死ぬんだし1
https://twitter.com/shigerumizukizz/status/1253999830503915523

2020-04-26-06_57_52どうせ人は死ぬんだし2

 伝え聞くところによると、HSでは、至高神エル・カンターレである大川隆法は法力でウイルスを消せる、信仰があればコロナにかからない、かかっても治せるというようなことを主張しているらしい。また今回のことは、神や宗教を軽んじ信じない者が多いために天罰が下されたと説いているという。itaq氏は信者なので、これをそのまま信じているのだろう。
 自らを神と称し、イエスの悟りが掌に見えたという大川隆法とその信者たちが、世の人々に向かって、神を軽んじ信じない者には天罰が下されると警告しているという構図はなんだか滑稽であるが、本人たちはいたって真面目であり、本気なのだから、やっかいだ。
 人は他人の粗は見えても、自分のそれは見え難いものだろうし、「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか」と言われて、自分は違うと否定できる人なんていないだろうと思うけれども、こういうHSを見ていると、いくらなんでも…という感慨を抱かないではいられないものがある。この点、HSには反省を促したいと思う。