心霊喫茶「エクストラ」の秘密-The Real Exorcist-
 『心霊喫茶「エクストラ」の秘密』を見たので、感想をメモしておきたい。

・映画館は貸し切り状態と思ったら、一人来て反対側に座った。メモの準備OK。

・次回作の予告で、ドーム講演の記事を持った人がチラリと映ってる。「これは自分も持ってたなあ」と思ったので宅に戻って探してみたら、やっぱり持ってた。
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・すれ違う人々の心の声が聞こえ過ぎて混乱して行き倒れ状態になったところを、声をかけてもらうという出会い。

・心霊大図鑑を熱心に読みふけるコドモ、おそろし。

・タイムバックリーディング、スカイフィッシュって、もろスピだな。

・スカイフィッシュで子供を安心させるエピソードはよい。サユリは優しくて、いい人だということがよく伝わってきた。

・「何か、お困りですか」と話しかけるのはアリだと思うが何かおかしい。これ以外でも、人との出会いのエピソードは、なんか不自然。

・売上金80万円をバイトにまかせる店長は勇敢だね。

・サユリみたいに、総裁も犯罪捜査に協力したらいいのにな、もしその能力があるのなら。

・コーヒーをすする音が気になる。

・この作品は、サユリが心霊相談に応じて問題解決するというパターンでシリーズ化できる。話はいくらでも続けられそう。

・「全知全能の仏陀」…この言葉はなんか合わない感じがする。全知全能の神なら分かるけど。

・人々の心の声が聞こえたとして、嫌な言葉ばかり聞こえるものだろうか。波長同通の法則からすれば、サユリみたいな天国的な霊能者にそういう声ばかり聞こえるというのはおかしい。
 自分は、世の中にはいい人が多いと思ってるので、もし人々の声が聞こえたとしたら、嫌な言葉より、いい言葉の方が多いと思う。
 ああそうだ。声が聞こえたといえば、とある百均の男女兼用トイレに入ったとき、個室からこんな声が聞こえてきたのだった。母と幼児の会話らしかった。
「ちょ、ちょっと、××ちゃん、お、おっきいぃ」
「えへへ…」
 自分は笑いを噛み殺すのに苦労したよ。
 もし人々の心の声が聞けたとしたら、嫌な言葉より、こういうほのぼの系の言葉の方が多いと思う。

・大川隆法の本の宣伝がすさまじい。最近のHS映画は、エルカンターレ色は薄める傾向が強まってたと思うが、今回は直に宣伝してる。

・信仰と感謝が大事。
 そういえば地獄霊で感謝してる者はいない、だから感謝の心を持てば、地獄霊と波長同通せず、憑依されないという話はよく聞いたものだった。
 間違った心で祈ると危険だけども、感謝の祈りはもっとも安全な祈りであり、まず安心だとも。

・死んでから三年も経ってるか…近親者からしたら、三年ではまだまだ心は癒えなかろう。半年、一年の頃よりはいくらか落ち着いてきてはいるかもしれぬが。

・自殺者がエルカンターレファイトで救われてる。

・お年寄りがすぐ近くの席に着いた。館内はこんなに空いてるのに、なぜ自分のすぐ近くに座るんだろ。

・苦しみには意味がある…そう思えれば、いくらか耐えやすくなるというのはあるだろう。

・毎度のことながら、今作でも、人生論的なうんちくを台詞で語ってしまってる。そういうのは映画では、物語のエピソードで表現した方がよいと思う。そうでないと説教臭くなってしまう。

・不成仏霊は、怖いというより、かわいそう。

・自殺はダメというメッセージが強い。これで納得し、救われる人もいるだろうけれども、自分は山田花子の自殺直前日記を読んでから、そういうことは言えなくなった。

・トイレに正心法語を置いてる。そういえば枕元に置いて寝ると、金縛りにならないという話があったな。

・総裁本、本当によく出てくるなあ。

・『天使にアイムファイン』でイジメに悩む内向的少女を演じ、『君のまなざし』ではそれとは反対の勝気な元気娘を演じてた役者は今回も出てないようだ。容姿端麗、演技力抜群なのにどうしてだろう。

・コドモが水子霊の指摘をしてる。おそろし。この子、こんな役やって、現実の学校であれこれ言われたりしないかな。大丈夫かな。
 この子とサユリは別個の独立した霊能を持っているのか、それともこの子の力が、サユリに作用して、サユリは本来の能力以上の霊能を発揮してるのか、またはサユリの力がこの子に作用して霊能を強めてるのか、どういう設定なんだろうな。

・「いきなりですが、お子さん(水子)の供養させていただけますか?」
 初対面でこれはなかろう。やっぱり人との出会いのエピソードは、どれもどこかおかしい。
 そういや、総裁は商社マン時代に、同僚に向かって、いきなりキツネが憑いてるとか何とか言ったという話があった。コミュ力に難ありということか。

・一つ一つのエピソードが細切れになってる。もうちょっと関連させて統一感を持たせた方がいい。
 たとえば、サユリのもとに持ち込まれる心霊相談の背後には、すべて同一の悪魔がいることをほのめかせば一つ一つのエピソードはつながるし、武士たちの霊がサユリに負けたときには、悪魔に「どいつもこいつも役立たずばかりだ」と呟かせれば、悪魔はずいぶん前からサユリを狙って策略をめぐらしていたことになり、その粘着質な不気味さをより強調できる。

・初対面の人に、彼氏の愚痴をぶちまけるのは迂闊すぎる。

・男優の外見はいろいろなタイプがでていて、三枚目もいれば、イケメンもいる。でも女優はみな似たような感じになっている。千眼美子が上限になってるみたいだ。

・HS映画の悪霊悪魔は単純で分かり易い。ホラーでは、悪霊悪魔は、強い霊能者がくると、いないフリをしたり、真っ向勝負を避けたり、仮に勝負に負けてもうまく逃げたりするけど、HS映画の悪霊悪魔はそういうズルさはない。

・この彼女は嫌な女だな。でも「わたしは嫌な女になんかなりたくない。でもあの女がいるとそうなってしまう。もうあの女とは会わないで! わたしを嫌な女にしないで! お願い! わたしを嫌な女にしないでよぉ!」なんて泣きつかれたら負けてしまいそう。

・死ぬ死ぬ詐欺で、真夜中に呼び出しかけてきそうだと思ってたら、「死ね死ね…」かよ。

・まともな人に悪感情をぶつけたせいで、返り念障害かと思ったら、波長同通で悪魔が来たようだ。

・悪魔は人の欲につけこむ?
 いやいや貪はもちろん、愛、善にもつけこむでしょう。そこに執着があるならば。
 谷口雅春の戯曲では、悪魔は洗礼者ヨハネが善にこだわっているのを利用して操る場面があるし、自分が会員だったころのHSでも、善でさえ執着してはいけないという話はあった。
 さしずめ今のHSでは、信仰は断じて手放してはいけないと強調してるので、悪魔はきっとそこを上手に利用するだろうな。たとえば信者のなかには、信仰熱心なあまりに、教団内の異端狩りに励んでいる人もいるし、総裁が信仰心を強く持てと説けば説くほど、悪魔からしたら教団の内部分裂を煽るのは簡単になるというわけだ。
 考えてみれば、総裁は、信仰、正義、悪との戦いをやたらと強調してるけど、そんなことをしたら、人と人とが裁きあい、異端審問、宗教戦争の原因になり、阿修羅地獄の様相を呈するようになるのは分かりきったことだろうに、なんでそんなことをするのだろう。神様なら人と人とが戦うのではなくて、許しあい、愛しあい、むつみあう方向に進めようとするだろうに、なぜに人と人が争うように仕向け、悪魔の仕事を楽にするようなことばかりするのだろう。

・挿入歌の歌詞がすごい。歌詞、脚本とか、大川家が担当しなければならないという暗黙のルールでもあるのかな。プロにまかせたり、公募したりしたらいいのに。

・霊言より、本作の方がリアリティがある。信者なら総裁はサユリよりすごい霊能者だと考えるのかもしれないけれども、自分は本作を見ると、サユリと比べて総裁がすごく小さく思えてくる。

・正心法語のCDを流しても、悪魔は逃げず離れず居座り続けているぞ。

・エクソシスト、巫女の衣装、仏陀、正心宝…。
 この統一感のなさは、無宗教の自分でもさすがに違和感がある。一つの作品は一つの文化で統一した方がいいと思う。
 でもHSからしたら、これらすべてをひっくるめてHSの世界観なのだから、これでいいということか。

・不成仏霊は天に導かれ、悪魔は地獄に追い落とされたようだ。これはかわいそうだ。
 悪魔に同情すると、悪魔の仲間だとみなされて迫害されそうだけども、『鬼滅の刃』の主人公は、鬼を人と平等に見て、思いやり、いたわっている。他の人たちから叱責されても、そういう姿勢を変えない。というか、根っからそういう性格であって、それを変えることはできないらしい。自分は敵対者に冷酷非情に振舞うよりは、この主人公のようでありたいと思う。他者を裁くよりは、「限りなく優しくあれ」「人を信じ、世を信じ、神を信じよ」という方がいい。

 以上、感想メモを見返しつつ、加筆修正を加えてまとめてみた次第である。




◇◆ 追記 2020.6.5 ◆◇


*肉体と霊能

 ふと思いついたのだが、霊能を発揮するのは、肉体の働きを抑制して、霊の働きを盛んにすることが必要とされているだろうし、そうだとすれば、肉体を興奮させるカフェインは、霊能発揮を阻害するものではなかろうか。
 実際、寝入りばなで、うとうとして、肉体が眠ろうとしているときに、不可思議な体験をすることはあっても、コーヒーを飲んで眼が冴えていたらそういうことは無くなるだろうし…。
 総裁がコーヒーを飲んでいるのに違和感があったけど、霊能があって常時、悪霊悪魔を警戒している人が、自ら進んでカフェインを摂取して肉体を興奮させ、霊能を鈍らせ、悪いものが寄ってきても分かり難い霊的に無防備な状態をつくりだすというのはおかしなことだと思う。この点からすると、総裁は霊的にはあまり繊細な方ではなさそう。