大学4年間の宗教学が10時間でざっと学べる
 本書ではいわゆる世界宗教や日本の宗教史、近現代における宗教の置かれた状況、課題などについて解説されている。概論的なものなので個々の問題についてはあまり深く掘り下げてはいないが、特定の宗教だけではなく、宗教全体を把握するには読みやすくてよい本だ。文章だけでなく、図、イラストも多用されているので、記憶にも残りやすい。
 ちなみに自分は本書を読んで、宗教に関する知識の不足を実感させられた。本書で説明されているのは、宗教の基礎の基礎であろうに、それさえ知らないことばかりだというのには凹まないではいられない。とほほ。
 でもおかげで学習意欲を掻き立てられたのはよかった。自分は年を取って知識欲は減退し、向学心も枯れてしまった気はしていたのだが、そういうわけでもなかったようだ。これはうれしい発見ではある。
 とりあえずは、前々から気づいていたことではあるが、本書を読んで自分は神道など日本の宗教についての知識が足りないことがよく分かったので、その方面を意識的に調べてみるつもり。