『易(えき)入門』黄小娥著、表

 何年か前に易経に興味を持ち、いくつかの関連書籍を集めてはみたものの、どれも難しくてずっと積読状態になっていたのであるが、先日思い立って、それらの中でもっとも初心者向きらしい本書を開いてみた。
 一読して、本書が易の入門書として高く評価されている理由がわかった気がする。まず文章は平易で分かりやすいし、六十四卦の説明では冒頭に卦の意味を一言で提示してあって有り難い。実占のエピソードは、初版は昭和36年なのでいささか時代を感じさせるところはあるが、どれも印象的で記憶に残るものばかりである。おかげ様で未済まで興味を失うことなく読み進めることができた。
 恥ずかしながら自分は、易経を読もうとして乾の途中で挫折したくちである。こんな自分でも最後まで通読できる入門書を執筆してくださった著者にはただただ感謝である。
『易(えき)入門』黄小娥著、裏
 ちなみに、こちらは裏カバーである↑
 著者紹介を読むと、著者は本当にすごい人のようだ。